10年後には新聞がほぼほぼ無くなる
新聞の発行部数の減少は収まる様子がありません。
もう新聞というコンテンツ自体が終わっていて、虫の息なのでしょう。
実は昔印刷工場の装置の制御設計(主にPLC)に携わっていました。
もう10年近く前ですが、すでに新聞の趨勢に関しては社内でも囁かれていました。
スマホの普及で新聞は完璧に「無くていいもの」となりました。
個人的にはオールドメディアという呼称すら生易しいと思います。
新聞に少しでも関わってた身として、新聞という媒体の将来と終着点を考えました。
結論から言うと
新聞社という会社は残る 新聞はほぼほぼ姿を消す
と考えています。
10年後にはコンビニからも姿を消すでしょう。
そもそも売れているのを見たことがない
ネットは今の出来事。
新聞は昨日の出来事。
この違いは決定的です。
装置設計者として新聞に関わってきた者の立場なども踏まえて、記事を書いていきたいと思います。
最終的にサラリーマン技術者としてどんな判断をしたかも書いていきます。
これは一般的な新聞の製作工程
youtubeで最近の新設工場を扱っていたものがこれでしたので、動画を添付しました。
新聞の製作工程自体はどこの工場も対して変わらず、機器仕様などほぼほぼ同じです。
違うのはどの会社(それもほぼお決まりの数社)が誰が担当しているかだけです。
本当にどこの新聞印刷工場に行っても、大体同じです。
印刷部数 年200万部のベースで減っている新聞
2000年初頭は5300万部の印刷部数があり、発行部数の減少自体は非常に緩やかでした。
転機が訪れたと言うより、じわじわとは発行部数が減っていき今では年200万ベースで減っています。
部数の削減が加速度的に増したのは、2010年前後のスマホの普及がトリガーです。
この時にデジタル版や、新聞でしか得られない付加価値を開拓しておくべきでした。
この部数減の流れは加速して、年400〜500万部減という時代はすぐに来ます。
新聞の購読層は60代以上 30代の購読層の開拓はほぼ不可能(買う意味がない)
ニュースはスマホで十分という時代になった今、新聞を買う必要はありません。
新聞でなければ得られない情報もありません。
情報というものは本質的に文字化された時点で古いものです。
それが紙に印刷して人の手に届く時点で、この時代としては論外に遅い情報媒体です。
そんな「遅い情報」をこの不景気の中、買うかと言うと買いません。
スマホで十分
これに尽きます。スマホの普及しきった今この流れは決定的になりました。
新聞でしか得られない価値が無い今、売れない商品(新聞)は更に売れなくなるでしょう。
洒落にならないくらい売れない新聞
2023年度の新聞の発行部数だけを見ていきます。
朝日新聞は約364万部で、前年同月比で約-48万部
読売新聞は約630万部で、約-46万部
毎日新聞は約166万部で、約-23万部
下手したら今年度中に300万部の部数減となります。
北海道新聞は夕刊を廃止したとのこと。全国紙が夕刊を休止するのは時間の問題でしょう。
朝日新聞:3,636,675(-484,565)
毎日新聞:1,659,153(-226,010)
読売新聞:6,295,920(-464,491)
日経新聞:1,473,712(-230,103)
産経新聞:951,020(-62,663)
おそらく今の10代は新聞の夕刊自体知らないかもしれません。
だって「必要ないから」
寂しい限りですが、これが現実です。
×10すると発行部数0になる新聞社がある・・・・
朝早くに新聞配達している営業所もこれからどんどん無くなっていくでしょう。
ちなみに残紙についてわかりやすく解説していたゆっくり動画がありました。
販売店の減少も触れているので、参照ください。
新聞社同士が共存していく未来
ここ数年になって新聞印刷工場の閉鎖をよく聞くようになりました。
「新聞印刷工場 閉鎖」で検索してみると
・朝日新聞が仙台工場閉鎖へ 河北新報社へ委託印刷
・朝日新聞社 日刊大曲工場の閉鎖に伴い道新グループに印刷・輸送など包括委託
・中日新聞印刷様の豊田工場の閉鎖と大府新工場の稼働
ビジネスである以上売れないのですから
閉鎖はやむなしです。
寂しいですが・・・・
上にも書いていますが、全国紙は年何十万部と部数減しています。
この工場の閉鎖に歯止めがかかることはないでしょう。
じゃあどうやって新聞を印刷していくのか?
おそらく今後は、全国紙も地方紙もブロック紙も同じ工場で印刷するようになるでしょう。
上記の朝日新聞が仙台工場閉鎖へ 河北新報社へ委託印刷とあるように
今後は積極的に工場を閉鎖していき、地方紙やブロック紙などに委託印刷をする時代が来るでしょう。
10年後は地方紙印刷工場で細細と、地方紙+全国紙(朝日新聞、読売新聞、日経新聞、毎日新聞、産経新聞)を刷り続けていると考えられます。
地方紙にそんな長く使っていけるような設備があるのか?
実は東京五輪が近づく中で地方紙の新工場建設ラッシュがありました。
下の動画は山形新聞 新印刷センター竣工式
今後は全国紙は続々地方紙やブロック紙に委託印刷をしていき、存命をはかると考えられます。
今思うとそれを見越しての地方紙の新工場新設ラッシュだったのかもしれません。
工場閉鎖→技術者として不要になる そんな未来はすぐに来ます。
その頃には新聞の価値は情報媒体というより、ノスタルジーの代名詞のような存在になるでしょう。
老人ですらスマホを使いこなして、メインユーザーの老人ですら新聞は読まないはずです。
情報媒体ではなく、古き良き時代を表すような
商品になっていると思われます。
あと新聞業界の内幕を書いていた漫画とドラマがありまして、業界の委託事情について描いておりました。(どこそこ新聞が手堅く売れるから、各新聞社争奪戦になっている等々)
この世界に入った時、その事情をしって持ちつ持たれつをつくづく痛感しました。
PLC技術者として関わってきた人間はどうなる?
PLC技術者として関わってきた私は全く異分野の業界に飛び込みました。(PLCは使うけど)
馴染んだ世界を抜けるのは辛かったですが、自分が技術者として不要になる未来が見えた時があり、飛び出しました。(転職した)
転職しろというわけではありませんが、PLCを使えたことは本当に強みになりました。ココらへん別記事でもメリットとして書きましたので参照にどうぞ。
キャリアが終着を迎える50代の方は、技術屋として骨を埋める関わり方があるかもしれませんが、若手の方は外に飛び出すこと(社内外問わず)をおすすめします。
20〜30代で技術者として伸びしろが無くなるのは
おすすめしません。
職場の仲間と先輩も理解してくれました。
まあまだ君は若いからね。
新天地で頑張ってくれ。
はい!
(応援されるとは・・・)
新聞という「遅れる、間違うが許されない世界」で戦えたあなたは、必ず社会から必要とされます。
新聞という世界で戦っていたことで、今でも
別分野でなんとかやっていけてます。
説教臭くなりましたが是非自分の可能性に挑戦してください。
それではご安全に。
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