シースアースの片端接地と両端接地とは
片端接地と両端接地 どっちにするの?
この仕事をしていて結構悩むのが「片端接地と両端接地どっちにするか?」問題です。
何年か前この問題で結構揉めて一つの落とし所として、非接地端誘起電圧の値で接地方法を決めました。結論から書くと
片端接地としたときの非接地端誘起電圧の値50V未満→片端接地
片端接地としたときの非接地端誘起電圧の値50V以上→両端接地
としました。
接地をなぜ50Vを境にしているのか?を書こうと思います。
新卒のときは片端両端なにそれ?
でした。
非接地端に誘起される誘起電圧
片端接地としたときの非接地端誘起電圧は以下の式となる。
E=jX×I[V/m]
ここでX=4πf×log(2S/d)×10-7
S:ケーブルの中心間隔[mm]
d:金属遮蔽層の平均直径[mm]
f:周波数[Hz]
I:電流[A]
公称断面積38mm2の6600V用のCVTケーブルの1メートルあたりの誘導リアクタンスは
X=4πf×log((2×21/15.3)×10-7)=4×3.14×50×1.01×10-7=634.6×10-7
S:ケーブルの中心間隔 21[mm]
d:金属遮蔽層の平均直径15.3[mm]
f:周波数50[Hz]
上記よりケーブル亘長100m 最大電流180[A]
E=634.6×10-7×180×100=1.14[V]
これを短絡電流時を三相短絡電流10[kA]とすると
E=634.6×10-7×10×103×100≒63.4[V]
短絡電流時の値は50V以上だが、これは事故時にしか発生しない値のため、基本的には最大電流時の値を採用した。(よって片端接地)
50Vは労働安全衛生規則で安全かどうかを切り分ける電圧です。
そのため
誘起電圧50V未満→片端接地で施工
誘起電圧50V以上→両端接地で施工
としました。
片端接地と両端接地は決められた基準などが無いため、都度電気主任技術者と施工者との協議で決めてます。67使う身としては片端が安心ということもありますが・・・・
両端接地はデメリットが多く、ほぼほぼ片端接地をしております。
仕様が両端の場合は両端にしてます・・
こればっかりは既設更新でも新設でも必ず一回は悩みます。
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