PLC技術者であるメリット

10年以上PLCを使ってきた人間が感じた、PLC技術者というメリット

私は制御設計者として10年以上設計の仕事をやってきています。PLC扱いはじめて大体12年くらいだと思います。そこで感じたメリットとかを書いていきます。

勉強しづらい分野ですし配属された部署でPLCを扱っている場合、大概はその部署が扱っている仕様に特化した知識を持っている人間になっていきます。プログラミング全般に言えるのかもしれませんが、PLCはその性格が一層強いです。

PLCを扱える技術者としての実績や技術はほぼほぼその配属先と担当業界で決まります。何分にも勉強するというのが難しい分野です。新しい機種が沢山出るし、開発環境を揃えるだけで2万とか余裕でかかります。その点認識しつつ技術者としての自分のキャリアを考えていってください。

丸

PLC使えるようになる前と後では、色々できることや気づくことが増えます。

PLC使うチャンスがあったら、ぜひ挑戦をおすすめします。

メリット1-ハードシーケンス設計を更に深く考察して設計ができる

PLCに詳しくなるとその相乗効果としてハードシーケンス設計にも活かすことができます。

リレーを集約するための装置として作られたPLCですが、現実はシステムの構成においてハードシーケンス半分PLC半分ぐらいです。IOの入力と出力点数を考えて継電器の構成。その他アドレスに予備IOと端子台。部品の配置から筐体の空スペースに至るまで、PLCのプログラムを加味して考えることができるようになります。

PLCに詳しくなってくるとPLCのスキャン速度や製品寿命まで考慮して設計検討できます。更に設備の更新時期まで考慮した上での深い検討ができます。

下に感じてきたことの羅列上げますが、ほんの一部です。書いたらきりがないほどハードシーケンス設計を更に深く考察して設計ができるようになりました。

まとめ
  • IOの入力と出力点数を考えて継電器の構成を考慮できる
  • IOアドレスも加味した設計が可能となる
  • 将来的な増設を見越したアドレス検討ができる。
  • 将来的な増設がある場合は、機器の盤内配線と空き端子へのルートなども検討できる
  • 自然とIO図面の可読性を考慮した図面を描くようになる。
  • PLCのスキャンまでわかると、継電器の構成とスキャンまで踏まえながら設計できる
丸

よりシステムとして優れているか?

将来的に増設に対応できるか?

など検討できる視点が格段に増えます。

PLCのスキャンに関しては以下に取り上げていますのでよろしければどうぞ

丸

PLCのスキャンの概念は、PLCを使う上で避けては通れないので是非

メリット2 – 一目置かれる

PLCを触れるメリットの中で、これが一番大きいかもしれません。PLCは現在ではデータ処理も担う大事な機器となっています。PLCを扱えることで組織内でも一目置かれる存在になります。

一目置かれることで意見しやすくなったりして、自分の意見が通りやすくなったりします。会社は力関係で動いています。力関係で優位に立つことで、ストレスフリーな生活を遅れます。サラリーマンとしてこんなにやりやすいことはありません。

丸

エンジニアリング主体の部署に異動になった時も、PLC使えるってのは強みになりやすいです。

メリット3 – PLCをネタにして改善活動に取り組みやすくなる

メーカに勤務している以上は標準化活動や改善活動は避けて通れません。PLCをテーマにした改善活動や標準化活動はやってみるとわかりやすいですが、ハードシーケンスの標準化と違って結構やりやすいです。図面が絡むと沢山の部署との折衝ごとが多くなって大変です。

丸

図面を変えたりする場合は

・エンジニアリング担当

・部品調達担当

・関連設計部門

・現地施工部門

・メンテナンス部門

これらの部門にもお伺いが必要になります。

メッチャ大変

対してPLCの改善活動はプログラム内で済んだり、タッチパネルでモニタしないで調整可能にしたりなど結構一人でできてしまうものが多かったです。例えば

上司1
上司1

改善活動やらなきゃいけないんだけど、なんか良いテーマある?

丸

どこそこ案件のソフトの標準化とか、ユーザーFB化とかで良いんじゃないんですか?

ソフト改造だけならどこにも影響出ないし。

属人化排除ってお題目掲げられるし。

上司1
上司1

いいね!

それでいこう。

改善活動や標準化活動で成果を上げると、当然評価も上がります。(賞与にも関わる)

現地工数を削減したという結果も出しやすいので、評価を上げるための指標を出しやすいです。

メリット4 – エンジニアリングの経験をつめる

PLCは最終的には現地で調整を行うことが多いです。(逆をいえばそこまで仕様が決まってなかったりするんですが)自然とエンドユーザと運用方法だったり、使い方の相談を率先して行うことになります。エンジニアリングを積み重ねるうちに自然と、会社にいては見つからなかった改善点が見つかっていったりします。

私は現地調整中に装置のイレギィラー対応時に、簡単に復旧できるような改造を行っていました。そういった使う側の目線が自然とついていきました。

お客さんと打ち合わせだったりしたという経験は技術者として大きな財産になるので、そういった案件があれば尻込みせずに挑戦してもいいと思います。

丸

これに関してはあまり誰も触れませんが、技術者としてユーザと直に話して仕様を決めていくっていうのは、本当にやりがいがあります。

接点1個追加するだけで格段に使いやすくなったりするので、話が苦手でも臆せず挑戦することをおすすめします。

メリット5 – 転職で有利になる

転職で有利になる

身も蓋もない言い方ですがこれが大きかったです。転職する時にPLCを使えるということが大分有利になりました。エンジニアリングも兼ねながら現地調整も行っていたので、こういった経験を評価してもらえることがありました。

PLCは他のプログラミングなどの技能とくらべると、とてもマイナーな分野です。それがかえって需要を生んでいるようです。転職求人サイトで「PLC」で検索すると必ず何件かはヒットしました。

DODAで検索キーワードを「PLC」 職種は技術職(機械・電気)で検索すると1200件ほどヒットします。PLCを使えるのは転職市場で強みになります。

丸

これはマジでPLC使えてよかったと思えた瞬間でした。

PLCを使った設計をしない場合でもメリットで述べたようなハードシーケンスに活かせるような面が多分にあります。そういった点も面接で沢山アピールできました。

PLCが使える時点で、その人の需要は自然と大きくなります。自分はPLCしか使えないから〜。とか悲観せずに、転職を考えている方は今一度自分のスキルの棚卸してみてはどうでしょうか。意外と自分が「デキルやつ」ということに気づくはずです。

PLC技術者は社内外での折衝ごとが本当に多くなりがちなのです。PLCを扱って設計していたというだけでも、知らずのうちに沢山のことができるようになっています。

そのおかげで無事に転職できて今に至ります。

丸

PLC使えるおかげでスーパーブラック企業から、そこそこホワイト企業に転職できました。

メリット6 – 色んな所に行ける

現地調整がどうしても多くなるので、必然的にいろんな所へ行けるようになります。アメリカやインドにブラジル。アフリカや台湾に中国。本当に沢山の所にいけます。北は北海道に南は沖縄まで。いろんなモノ食べることができました。

六花亭のマルセイバターサンド

徳島のラーメン いのたに

岡山のきびだんご

名古屋 「住よし」のかき揚げ玉子入りきしめん

姫路駅 えきそば

大阪 粉物全般

中国 青島ビール

沖縄 てびちそば コロナビール

上司1
上司1

おい丸!

〇〇のお客さんの所で不具合でた!

来週中に名古屋行ってくれ!

丸

承知いたしました!

(帰りにきしめん食って帰ろう)

私もおかげさまでいろんな所に出張させてもらってます。(事務所ばかりいても息がつまりますし・・・・)来週の出張は沖縄そば食って帰ろっと。那覇空港でご飯食べるなら空港食堂がおすすめです。コスパがよくて美味しいです。

丸

あと新幹線を使う出張で外せないのは東京駅のカツ煮そば!

コロナの影響で開店時間が短縮されて寂しい限りですが、出張のときは必ず食べてます。

寒い季節に食べると最高です。

※2023年10月追記 東京グル麺は閉店していました・・・・

せめてもの弔いに電子の海にカツ煮そばを上げておきます。(泣)

丸

もう食べられない・・(泣)

おわりに

以上「10年以上PLCを使ってきた人間が感じた、PLCが使えるというメリット」でした。その他にも思い出せば沢山ありますが、とりあえず思いついたものを書いていきました。デメリットなどもまあまあありますが、それはここで書いても仕方がないので割愛します。私はそのデメリットの部分が将来的な所まで影響してきたので転職しました。デメリット(半分愚痴)に関しては以下に記事にしました。お時間ある時にどうぞ。

産業分野で使われるPLCですので、分野によっては縮小していくような分野もあると思います。しかしPLCを扱える人間はどんな時代でも必要とされます。そのため転職や異動で自分のキャリアを作りやすいです。時代によって流行り廃りの趨勢さえ見極めれば、いろんなことに挑戦できます。

最初はPLCを触るのは尻込みしてしまうかもしれませんが、一回経験してしまえば大丈夫です。世の中の製品の多くは基本的に新規開発というよりも、実績ベースで設計していきます。過去の設計資産の流用になります。その流用元と変化点の見つけ方の戦いになります。早く流用元を見つけて解読しましょう。新規開発の場合は必ず試運転期間があるので、この期間中に色々試してPLCを理解していくチャンスができます。徹底的に調べて調べて検証して自分のモノにしていってください。

丸

尻込みせずに、ぜひPLCの世界へ飛び込んでみてください。

結構面白いですよ。

これからもPLCは世界から必要とされていきます。健康に気をつけて良いものを作っていきましょう。

それではご安全に。

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