簡単なようで難しいPLCのオンディレィタイマ

簡単なようで難しいPLCのオンディレィタイマ

PLCに関するちょっとした小話を書きたいと思います。

PLCだったらどのメーカでも、ファンクションブロックのオンディレィタイマが使えると思います。こんな感じのやつです。

今更も今更PLCを使っている方たちに、オンディレィタイマの説明は不要だと思うので、説明はしません。今回は何を書きたいかというと、スキャンタイムが絡むぐらいシビアな使い方をすると、仕様を調べなくてはいけなくなる。という話をしたいと思います。

設定時間分オンして無くても1スキャンだけONするかもしれない

言わずもがなオンディレィタイマは、ONが設定した時間継続してONしていた場合にQの出力がONする回路です。搬送仕分け装置などには、位置合わせやチャタよけに使います。

例えばこのオンディレィタイマのPTの設定値が50msecであったとします。入力自体が50msec継続してONしていれば難しいこと無く、出力QがONします。しかし入力が50msec継続せずに35msecでOFF下とします。この時に1スキャンに100msecかかる場合どうなるでしょうか。

35msecのみONしているのだから出力QはONしないだろう。と思うかもしれませんが、ONするケースがあります。1スキャンに100msecかかっているため、次のスキャンまでには50msec以上時間が経過しています。PLCによっては50msec以上内部演算されたから、出力Qが1スキャンのみONする仕様のPLCがあります。(富士電機のPLC Micrex-SXがONする仕様でした)

実はココらへんの仕様は、どのメーカも明示していません。問い合わせ窓口で聞いて確かめるか、実機検証して確かめるしかありません。

今のPLCは高性能なため1スキャンに100msecかかるとかはあまりありませんが、2重化したりしている場合は途端にスキャンタイムが長くなります。スキャンを甘く見るとスキャンで泣きを見る日が必ずきます。最低でも自分の触っているプログラムの、おおよそのスキャンタイムは知っておくことをおすすめします。(私はこのスキャンを甘く見て壁を壊しかけました)

以上簡単なようで難しいオンディレィタイマでした。スキャンは簡単ですが奥が深いです。知れば知るほど面白くなってきます。スキャンも意識してデバッグすると更に品質も上げることができるので、ぜひマスターしてください。当たり前ですがメーカの取説は、教科書レベルに詳しく書いてくれています。自分の端末にマニュアル一覧を作成することオススメします。

それではご安全に。

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