電験2種 令和3年 法規 問3 電気設備技術基準の解釈からの出題
すごい難しそうです。やだなあ。それでも電気系の人間の嗜みとして電気に触れて行かないといけません。でもやだなあ。
電験2種 令和3年 法規 問3 低圧屋内配線の工事
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧屋内配線の工事に関する記述である。文中の に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。ただし,ショウウィンドー又はショウケース内,粉じんの多い場所,可燃性ガス等の存在する場所,危険物等の存在する場所及び火薬庫内に施設するものを除く。
a) (1) 工事に使用できる (1) には, CD 管, PF 管などがある。 (1) は著しい機械的衝撃や重量物の圧力等に対する保護効果等の点で金属管よりも劣るため,こうした損傷のおそれがないように施設しなければならない。
b) (2) 工事は,主に工場内,事務所ビル等の変電室からの引出口等における多数の配線を収める部分の工事に採用されている。 (2) に収める電線の断面積の総和に関する規定がある。また,点検できない隠ぺい場所では使用できない。
c) (3) 工事は,屋内ではあらゆる場所に利用できる工事方法であるが,施設場所や使用電圧によっては使用できる電線の種類が限定される。電線を金属管に収めることは必ずしも必要でない。
d) (4) 工事は,大形の鉄骨造建造物の床コンクリートの仮枠又は床構造材として使用される波形デッキプレートの溝を閉鎖して使用する方式である。乾燥した場所でのみ使用できる。また,使用電圧が 300 V 以下でのみ使用できる。
e) (5) 工事は, (5) 内に電線を入れ,床面に粘着テープで固定し,タイルカーペット等の下に施設する工事である。 (5) の厚さは 2 mm 程度と非常に薄く,床面の任意の位置からコンセントを取り出すことができる。使用電圧は 300 V 以下で,点検できる乾燥した場所でのみ使用できる。
解答群

解答
解答を記載します。答えは黄色マーカで色付けしております。
(1)イ_合成樹脂管
(2)ト_金属ダクト
(3)ロ_ケーブル
(4)ヨ_セルラダクト
(5)ヲ_平形保護層
(1)はPF管とCD管は何管?という問題
PF管は自己消火性があり、隠蔽配管、露出配管に使用できる合成樹脂製可とう電線管
CD管は自己消火性がない、コンクリート埋め込み専用の合成樹脂製可とう電線管
ここを抑えておけば自ずと答えがでます。
よって(1)の解答はイの合成樹脂管となります。
a) 合成樹脂管工事に使用できる合成樹脂管 には, CD 管, PF 管などがある。合成樹脂管は著しい機械的衝撃や重量物の圧力等に対する保護効果等の点で金属管よりも劣るため,こうした損傷のおそれがないように施設しなければならない。
(2)は電気設備技術基準の解釈 第162条第1項二号より
(2)は電気設備技術基準の解釈 第162条第1項二号より断面積の総和についての記載があります。
第162条 金属ダクト工事による低圧屋内配線の電線は、次の各号によること。
電気設備技術基準の解釈 第162条第1項二号
一・・ 絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く。)であること。
二 ・・ダクトに収める電線の断面積(絶縁被覆の断面積を含む。)の総和は、ダクトの内部断面積の20%以下であること。ただし、電光サイン装置、出退表示灯その他これらに類する装置又は制御回路等(自動制御回路、遠方操作回路、遠方監視装置の信号回路その他これらに類する電気回路をいう。)の配線のみを収める場合は、50%以下とすることができる。
三 ・・ダクト内では、電線に接続点を設けないこと。ただし、電線を分岐する場合において、その接続点が容易に点検できるときは、この限りでない。
四 ・・ダクト内の電線を外部に引き出す部分は、ダクトの貫通部分で電線が損傷するおそれがないように施設すること。
五 ・・ダクト内には、電線の被覆を損傷するおそれがあるものを収めないこと。
六 ・・ダクトを垂直に施設する場合は、電線をクリート等で堅固に支持すること。
よって(2)の解答はトの金属ダクトとなります。
b) 金属ダクト 工事は,主に工場内,事務所ビル等の変電室からの引出口等における多数の配線を収める部分の工事に採用されている。 金属ダクト に収める電線の断面積の総和に関する規定がある。また,点検できない隠ぺい場所では使用できない。
(3)は電気設備技術基準の解釈 第164条第1項二号より
(3)は電気設備技術基準の解釈 第164条第1項二号より
【ケーブル工事】 第164条
電気設備技術基準の解釈 第164条第1項二号
二 ・・重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがある箇所に施設する電線には、適当な防護装置を設けること。
上記の「重量物の圧力又は著しい機械的衝撃を受けるおそれがある箇所に施設する電線には,適当な防護装置を設けること」とあります。問題文に電線を金属管に収めることは必ずしも必要でないとあるように適切な防護装置さえ設ければ金属管に収める必要はありません。
よって(3)の解答はロのケーブルとなります。
c) ケーブル工事は,屋内ではあらゆる場所に利用できる工事方法であるが,施設場所や使用電圧によっては使用できる電線の種類が限定される。電線を金属管に収めることは必ずしも必要でない。
(4)の問題はある工事方法の特徴そのもの
(4)のセルラダクト工事方法の特徴そのものです。よって(4)の解答はヨのセルラダクトとなります。
d) セルラダクト 工事は,大形の鉄骨造建造物の床コンクリートの仮枠又は床構造材として使用される波形デッキプレートの溝を閉鎖して使用する方式である。乾燥した場所でのみ使用できる。また,使用電圧が 300 V 以下でのみ使用できる。
(5)は電気設備技術基準の解釈 第156条第1項二号より
(5)は電気設備技術基準の解釈 第156条第1項二号の156-1表より

問題文の「点検できる乾燥した場所でのみ使用できる。」と表を見ると解答がわかります。
(5)の解答はヲの平形保護層となります。
問題文に解答を記載
次の文章は,「電気設備技術基準の解釈」に基づく低圧屋内配線の工事に関する記述である。文中の に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。ただし,ショウウィンドー又はショウケース内,粉じんの多い場所,可燃性ガス等の存在する場所,危険物等の存在する場所及び火薬庫内に施設するものを除く。
a) 合成樹脂管工事に使用できる合成樹脂管には, CD 管, PF 管などがある。 合成樹脂管は著しい機械的衝撃や重量物の圧力等に対する保護効果等の点で金属管よりも劣るため,こうした損傷のおそれがないように施設しなければならない。
b) 金属ダクト工事は,主に工場内,事務所ビル等の変電室からの引出口等における多数の配線を収める部分の工事に採用されている。 金属ダクトに収める電線の断面積の総和に関する規定がある。また,点検できない隠ぺい場所では使用できない。
c) ケーブル工事は,屋内ではあらゆる場所に利用できる工事方法であるが,施設場所や使用電圧によっては使用できる電線の種類が限定される。電線を金属管に収めることは必ずしも必要でない。
d) セルラダクト工事は,大形の鉄骨造建造物の床コンクリートの仮枠又は床構造材として使用される波形デッキプレートの溝を閉鎖して使用する方式である。乾燥した場所でのみ使用できる。また,使用電圧が 300 V 以下でのみ使用できる。
e) 平形保護層工事は, 平形保護層内に電線を入れ,床面に粘着テープで固定し,タイルカーペット等の下に施設する工事である。 平形保護層の厚さは 2 mm 程度と非常に薄く,床面の任意の位置からコンセントを取り出すことができる。使用電圧は 300 V 以下で,点検できる乾燥した場所でのみ使用できる。
過去問を解いた感想
比較的簡単だと思っていた法規でこんな難しい問題が出てきて辛かったです。とりあえず電気設備技術基準を覚えていくしかなさそうです。早い所鬼門の理論に行きたい。
それではご安全に。
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