IEC61850は「難しい」と言われがちですが、その正体は専門用語の多さにあります。
逆に言えば、頻出ワードを体系的に押さえるだけで理解は一気に進みます。
本記事では、実務で頻出するキーワードを30個に厳選しました。
今後は各単語を個別記事として深掘りしていく前提で、まずは全体像を掴んでください。
【レイヤー①】基本構造(ここが理解の土台)
① IED(Intelligent Electronic Device)
保護リレーやBCUなどの総称。IEC61850ではすべてIEDとして扱う。
② Logical Device(LD)
IED内部の機能グループ。複数持つ設計も一般的。
③ Logical Node(LN)
機能の最小単位。
例:XCBR(遮断器)、PTOC(過電流)
👉 最重要ワード
④ Data Object
LN内のデータのまとまり(例:Pos)
⑤ Data Attribute
実際の値(stVal、mag.fなど)
⑥ CDC(Common Data Class)
データ型(SPS、DPC、MVなど)
⑦ Functional Constraint(FC)
データの用途分類(ST、MX、COなど)
👉 意外と抜けがちだが重要
⑧ IEC61850パス(参照名)
例:XCBR1.Pos.stVal
👉 現場ではこれが読めるかが重要
【レイヤー②】通信とデータの流れ
⑨ GOOSE通信
高速イベント通信(トリップ等)
⑩ MMS通信
監視・上位系通信(SCADA)
⑪ Sampled Value(SV)
電流・電圧のサンプリングデータ
⑫ Dataset
送信データの集合
⑬ GOOSE Control Block(GoCB)
GOOSE送信設定
⑭ Report Control Block(RCB)
MMS送信設定
⑮ Buffered / Unbuffered Report
データ保持の有無
⑯ Time Synchronization
時刻同期(SNTP / PTP)
【レイヤー③】ファイルと設計
⑰ SCL(Substation Configuration Language)
構成記述言語(XML)
⑱ SCDファイル
変電所全体構成ファイル
⑲ ICDファイル
IED仕様ファイル
⑳ CIDファイル
IED設定ファイル
㉑ SSD / SEDファイル
系統設計・拡張設計用👉 上級者向けだが将来必須
【レイヤー④】システム構成
㉒ Process Level
CT/PTやI/Oに近い層
㉓ Bay Level
保護・制御層
㉔ Station Level
監視・SCADA層
㉕ Process Bus
SVなどが流れるネットワーク
㉖ Station Bus
GOOSE・MMSが流れるネットワーク
【レイヤー⑤】制御・運用
㉗ Control Model
制御方式(SBOなど)
㉘ Select Before Operate(SBO)
誤操作防止の基本方式👉 IEC61850準拠の外資系案件ではほぼ必須
㉙ Interlocking
インターロック(論理制御)👉 従来リレー回路との大きな違い
㉚ Engineering Workflow
設計〜設定の流れ(SCL中心)👉 実務ではここが一番苦労する
まとめ:IEC61850は「単語を制する者が勝つ」
IEC61850は難解に見えますが、
👉 構造(LN)+通信(GOOSE)+ファイル(SCL)
この3つに分解すれば一気に理解できます。
まずは今回の30単語を「なんとなく知っている」状態にするだけで、
- SASシグナルリストが読める
- ベンダーの会話についていける
- 設計レビューで詰まらなくなる
レベルまで到達できます。




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