保護協調とは何か

保護協調(Protection Coordination)とは、電力系統において故障が発生した際に、影響を受ける範囲を最小限に抑え、必要最小限の保護装置のみが動作するように調整することを指します。

保護協調が成立していない設備は上位側の系統で停電を起こしてしまい、復旧に多大な時間を要します。

保護協調の目的

事故原因となった箇所(故障点)のみを迅速に切り離し、他の正常な設備は運転を継続させることが目的です。これにより、停電範囲の縮小、設備信頼性の向上、生産ラインの継続が実現します。

保護協調の考え方

保護協調は主に時間協調、電流協調、距離協調の3つに大別されます。

時間協調 (Time Grading)

故障点に最も近い保護装置が最も速く動作し、上流側の保護装置はそれより遅く動作するように整定します。

電流協調 (Current Grading)

故障電流レベルに応じて下流側は低い設定値、上流側は高い設定値とし、故障点に近い保護装置が優先的に動作するよう調整します。

距離協調 (Distance Grading)

主に送電線保護で用いられ、故障点までのインピーダンスを測定する距離継電器を用いて保護範囲を段階的に設定します。

実務での保護協調手順

1. 系統構成の確認(単線結線図)
2. 短絡電流計算
3. 下流側から上流側へ整定値を決定
4. 時間マージン(一般に0.2~0.5秒)を確保
5. 特性曲線による協調確認
6. 現地試験および運転後の見直し

まとめ

保護協調は設備保護だけでなく、操業継続という観点でも極めて重要な思想であり、その設計は現場の運転条件・重要度に応じて慎重に行う必要があります。

コメント