変流器(CT)と67N整定に関する解説

変流器(CT)とは何か

変流器(Current Transformer, CT)は、一次側に流れる大電流を、計測・保護機器に適した小電流に比例変換する機器です。

計測級は電力量計などに、保護級は継電器に電流情報を与えるために用いられます。

飽和とは何か

CTの鉄心は磁束が限界に達すると飽和し、わずかな電圧でも励磁電流が急増して二次電流が一次電流に追従できなくなります。これにより、保護リレーが正しく動作しない可能性が生じます。

微小電流域の誤差について

小電流では励磁電流の影響が大きく、比誤差・位相誤差が相対的に増加します。

三相CTのわずかな不一致でも「擬似的な零相電流」として現れ、常時スピルが発生します。

67N(地絡方向継電器)の整定に関する注意点

67Nは零相電流と零相電圧の位相を利用して地絡方向を判断します。

整定値を小さくしすぎると、常時スピル・充電電流・CT誤差により誤動作のリスクが増大します。

そのため、実務では「常用の零相電流 × 2〜3倍」を整定の出発点とすることが推奨されます。

国内メーカー例

特高・高圧向け:東芝、三菱電機、日新電機、明電舎、タカオカトーコー、富士電機

低圧・計測用:オムロン、パナソニック、IDEC、愛知時計電機、共立電気計器、HIOKI

実務チェックポイント

・CT仕様・Vk・ALFを確認

・二次配線抵抗とVA負担を把握

・零相スピルを現地計測

・時限・フィルタで過渡成分を抑制

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