これは構造上ほぼ必然です。
「なぜできないのか」「ではどうやって試験するのか」を整理します。
結論の整理(先に要点)
✅ T型ケーブルヘッド → 印加点にできる場合が多い
❌ I型ケーブルヘッド → 原則として印加点にできない
(できたとしても制限・注意が非常に多い)
これは「運用ルール」ではなく、
内部構造と電界設計の問題です。
なぜI型ケーブルヘッドは印加点にできないのか
① I型は「完全密閉・同軸構造」だから
I型ケーブルヘッドは、
- GISブッシング
- ケーブル心線
- 応力円錐
- 絶縁体
が一直線・同軸・密閉で設計されています。
この構造は、
運転時の電界分布を最適化する
外部から人が触れない
ことを目的にしています。
👉 「試験用に電圧を入れる場所」を想定していない構造
👉 点検・操作用の電極が存在しない
② 印加点を作ると「設計電界」が崩れる
耐圧試験では、
- 試験用リード
- 仮接続端子
- 電極露出
が必要になります。
しかしI型でこれをやると、
- 設計時に想定していない電界集中
- 応力円錐端部への異常電界
- 部分放電の誘発
が起きやすくなります。
👉 試験のために、試験対象を壊す可能性がある
👉 これは本末転倒
③ ケーブルメーカー・GISメーカーが保証しない
実務上、非常に重要な点です。
I型ケーブルヘッドは
**「印加点として使用しない前提」**で設計・型式認定されている
そのため
- メーカー手順書
- 試験要領書
には、
「I型ケーブルヘッドを印加点として使用しないこと」
と明記されていることが多いです。
👉 万一トラブルが起きた場合、
👉 保証対象外になる可能性が高い
では、I型ケーブルヘッドの耐圧試験はどうするのか?
ここが新人が混乱しやすいポイントです。
方法① GIS側(母線・遮断器側)から印加する
最も一般的な方法です。
- GISの母線
- 遮断器
- 断路器
など、メーカーが指定する印加点から試験電圧を印加し、
I型ケーブルヘッド
接続ケーブル
をまとめて一体で評価します。
👉 I型は「試験される側」であって
👉 「試験をかける側」ではない
方法② ケーブル単体での工場試験・事前試験
I型が絡む場合、
- ケーブル単体
- ケーブルヘッド組立体
を、
- 工場試験
- 現地搬入前試験
で確認しておくことが非常に重要です。
👉 現地では「組合せの確認」
👉 本質的な耐力確認は事前に終わらせる
方法③ 試験区分を分ける(設計での工夫)
GIS:GISとして耐圧試験
ケーブル:ケーブルとして耐圧試験
というように、
「全部を一気に試験しようとしない」
設計思想が求められます。
新人が誤解しやすいNG認識
❌「印加できない=試験できない」
→ 完全な誤解
I型は、
印加点にならない
しかし評価対象には含まれる
という立ち位置です。
❌「T型と同じ感覚で考える」
→ I型では事故の元
T型は、
- 外部電極
- 操作用端子
を想定した構造ですが、
I型は運転専用構造です。
ベテランがI型で試験計画にうるさい理由
- どこから印加するか
- どこまでを一体で見るか
- どこを事前に潰すか
これを間違えると、
試験はできない
工程は止まる
責任の所在が曖昧になる
👉 I型の怖さは「施工」だけでなく「試験計画」にもある
まとめ
I型ケーブルヘッドは、
「電圧をかけるための部品」ではなく、
「運転されるためだけに作られた部品」である。
だからこそ、
印加点にしない
事前試験を重視する
メーカー手順を絶対に守る
これがI型と正しく付き合う唯一の方法です。



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