官公庁設計業務におけるメーカー協力の適正な進め方

官公庁(国・自治体・独立行政法人など)から発注される設計業務において、設計会社がメーカーやベンダーから技術的な協力を受けることは、法律上、直ちに違法となるものではありません。ただし、入札制度や契約条件の観点から、協力の仕方に注意しないと「名義貸し」「特定メーカー誘導」「再委託違反」などの問題として扱われる可能性があります。

重要な法令と制度の考え方

■ 入札契約適正化法
公共調達における透明性と公平性を確保するための法律で、特定メーカーに有利となる仕様作成は問題となる可能性があります。


■ 建設業法 / 建設コンサルタント登録規程
無断再委託は禁止されており、設計会社は業務を「自ら誠実に遂行」する義務があります。メーカーが実質的に設計を行うと違反となることがあります。


■ 会計法 / 地方自治法
官公庁が物品や工事等を調達する際の基本ルール。公平性・競争性を損なう行為は問題になります。


合法とされる協力のポイント

メーカーやベンダーは「技術情報提供者」として関与し、設計会社が「主体」として設計をまとめることが原則です。


・技術資料(カタログ・仕様書・性能データ)の提供

・規格適合性や条件に関する質疑応答

・一般的な構成例・モデル図面の提供(ただし成果物には使用しない)

違法・契約違反となり得るケース

× メーカーが実質的に設計書・図面を作成し、設計会社が名義だけを貸す状態

× 契約に「再委託禁止」とあるのにメーカーに丸投げすること

× 特定メーカーによる製品前提の仕様書を作成し競争性を欠く状態

メーカー協力チェックリスト(実務用)

区分OK(合法・安全)NG(違法・リスクあり)
情報提供カタログ・技術資料提供、技術質問対応製品前提の仕様書をそのまま提供
設計作業設計会社が主体で図面・計算メーカーが成果物を直接作成
成果物管理提出物は設計会社フォーマット成果物にメーカーのロゴや署名
契約・下請官公庁承諾を得て正式に下請化無断再委託 / 名義貸し
公平性複数メーカー比較が可能特定メーカー誘導・競争不成立

まとめ

・メーカー協力自体は合法であり、一般的に行われている
・設計会社が「主体性」を持ち、成果物の責任を負うことが最重要
・比較検討と透明性を確保することで、公平で健全な協力関係が成立する



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