標準仕様だけの製品を扱っていた私
私のいた(数年前に事業部ごと異動)部署は標準化された製品のみを扱う事業部でした。売上は横ばいだったのですが、どうしても標準化故のデメリットがはっきりしているところでした。
斜陽産業ということもあり、是正対策も取らない有様でした。
標準化の負の側面を見てきたので、その一部をここに書き記したいと思います。
異動できてよかった。
組織全体の柔軟性の低下 機会損失の発生
問題点
標準に縛られるあまり、新しい要求や特殊な仕様に柔軟に対応できなくなる。しなくても良くなる。機会損失を量産する危険性がある。二言目には「標準だから」「標準以外は」を言って社内外の要望を跳ね返してもいい文化が生まれる。
- 例:「これは標準外だからできません」と設計者、購買、営業、現場担当者が思考停止、判断停止に陥る。結果として顧客を満足する対応が得られず、売上が長期的に見て下る。
- 標準仕様以外だから作りません、見積もりません。作りません出来ませんという言い訳がまかり通る。結果として機会損失につながっても会社組織としてNGにはならない

お客さんからこの機能のここをカスタマイズして欲しいって要望来ました。
部品と図面2箇所ほど変えるだけだから、作れると思います。
見積もり作成お願いします。

俺ら標準タイプの機種しか作らないから、見積もりもしないよ。
標準以外は図面も書かないし、手配もしないよ。
事業部方針だから諦めて。

大丈夫か?
この会社・・・・
若手の創造性と技術力の低下、技能伝承の遅延
問題点:標準に従うだけの設計検討、手配、図面作成のみの作業になると、設計者が思考停止してしまう可能性がある。結果として設計者として数をこなしたような錯覚に落ちいいるが、全く技術者としての知見、経験、機転を踏んでいない人間になってしまう。
- 例:若手が応用力や問題解決力を学ばずに育ってしまう。
- 例:PLCのソフトが標準化されきっていて、中のロジックを全く理解できていなくても手順通りに手を動かすだけで立ち上げできてしまうので「できる人間」になったと勘違いする。
- 例:標準化というとQC活動のお題目にしやすいので、ブラックボックス化したロジックを標準仕様にして誰も理解できなくなる。

若手A君
ここ少し図面変更必要だけど、ここ変えたら劇的に施工性良くなるし、この先沢山ここのお客さんの仕事受注予定だからこういうふうに設計してくんない。

標準タイプの発注だから無理っすよ。
もう図面も整番変えたの用意したし。
施工性上がった所でこっちに文句来ないし上司に言ってください。
丸知さん真面目っすね(笑)

わかった。
もういいよ。
(標準図面しかトレース出来ないゴミになれ。)
標準の陳腐化
問題点:一度決めた標準が時代遅れになっても見直されず、逆に足かせになる。こうすればもっと良くなるのに。こうすれば不具合が一発で解決するのにが受け入れられなくなる。
- 例:古い部品や設計思想に基づいた標準が、新技術の導入を妨げる。
- 例:新しい製品に変えただけで解決する提案が受け入れられなくなる。

Aさん
キーエンスの新製品使いたいんですけど・・

キーエンスなんて代替品作らねえから使えるわけねえだろ!!
いつもの部品(超マイナーないつ無くなるかわからない会社)にしろ!
勝手なことすんな!!

丸知君
Aさんの言うとおりだよ!!
ちゃんと職場の仲間の言うこと聞いて!!
すいません。Aさん!!

だからお前は駄目なんだ!!
図面通りに作れ!!
余計なことすんな!!

なんだこの魔境は・・・・
過剰な標準化(過剰設計)
問題点:すべてに標準を適用しようとして、コストや作業工数がかえって増加。
- 例:簡単な装置にも複雑な標準を無理に当てはめて非効率に。
- 例:標準化という御旗の元に全機能を実装した装置を作ってかえって高コストに。高くなって誰も買わないゴミが生まれてしまう。

機能全部のせで設計レスにしたぞ!!
どこの誰が飼ってくれるかわからないけど標準化完成だ!!

よくやった!!
これでQC大会優勝だな!!
報奨金で飲みに行こう!!

誰に売るのかもターゲット決めずにあの装置の標準化してたのか。
またゴミと思い出を作ったのかこの連中は・・・・
ブラックボックス化
問題点:標準設計や部品に対して「なぜこうなっているのか」「どうしてこうしたのか」「どうやって動いているのか」が不明になり、ロジックの解析力の低下とトラブル対応力が低下が発生しやすくなる。
- 例:不具合時に標準部品の特性や背景を誰も理解していない。限られた人間しかわからないロジックが標準化の名のもとに多数量産される。
- 例:標準化に至るまでの経緯を全くドキュメント化せず若手も知る方法もなくなんとなく図面流用、プログラム流用してしまっている。結果技術的な成長も出来ず知っている人も定年で辞めてブラックボックス化する。

あの人2年後定年だから、この標準設計ドキュメントにして誰かに伝授しねえとやばいだろ・・・・

Aさん
このソフトのロジックドキュメント化しませんか?

はあ!!
こんなこともわかんねえのか!!
そもそもオレらの頃には教えてももらえなかったんだぞ。
自分で解析しろ。

丸知君
Aさんの言うとおりだよ!!
ちゃんと自分で考える癖つけないと!!
すいません。Aさん!!

だからお前は駄目なんだ!!
自分で考えろ!!
指示待ち野郎が!!

このキレっぷり・・・・
絶対致命的なバグがあるな。
わかりやす。
コイツ辞めてから解析すっか。
このクソ上司の腰巾着野郎。
仕事出来なくて勉強する暇だけ合ったから試験合格してんだろう。アホンダラ
標準だからの名のもとに、責任の所在が不明確に
問題点:標準通りに設計したが不具合が出た場合、誰が責任を持つのか曖昧になる。標準だからで何を言っても何を改善提案しても無碍に断られる。
- 例:「標準に従ったから自分の責任ではない」
- 例:「標準図を作ったのは設計なので設計に文句言ってください」
- 例:「標準仕様の見積もりなので設計出来ません。営業に設計費つけるよう言ってください」
- 例:「標準仕様もなにも標準見積もりで作ってるので、何を作るかは設計マターです。」
- 例:「作りにくいのは知ってます。標準仕様の発注なので、図面変更はしません。」
- 例:「据え付けしにくいのは知ってます。標準仕様の発注なので、図面変更はしません。」

なんだこの魔境は・・・・
現場とエンドユーザーのニーズとの乖離
問題点:設計標準が実際の製造・保守現場の状況と合っていない。
- 例:メンテナンス性を無視したレイアウト設計が標準化されている。
理想的な あるべき 対策と注意点
定期的な標準の見直しと改善プロセスの導入
「標準は一度作ったら終わり」あとは改訂も見直しもしないは間違い。
定期的に上流から下流部門までの点検が必須。そのままにすると“化石のような古いマニュアルに縛られて何も出来ない”状態になる。
定期的にアップデートして最新版かつデータ化するのが必須
紙媒体でしか管理していないなんて言語道断

このプロセスがない会社は危険です。
標準に例外ルールやフレキシブルな枠組みを持たせる
「この特殊なケースはどうすんの?」って場面は必ず出てきます。
ガチガチに縛って、「それは作りません。諦めてください。」よりも例外カード”を用意しておいた方が営業も現場サイドも必ずラク。
つまり、「例外を認める」ちゃんと公式ルールにしておく。

この例外ルールがない会社は危険です。
教育・育成との両輪で運用(標準に「なぜ」を教える)
→「こうやれ!」だけだとロボット化してしまう。そして何も出来ないし考えない技術者が量産サれてしまう。
「なぜそうするのか」を教えると、設計にも応用を効かせられる。
マニュアル暗記じゃなく“考えながら使える標準”に育つ。
教育・育成との両輪で運用(標準に「なぜ」を教える)
→標準を作った過程にある「なんでこうなったの?そもそも何のため?」を共有すると納得度が高くなるし、言語化ができる。
理由がわかれば守りやすいし、上流も下流部署も一丸となりやすい。

この教育機会がない会社は危険です。
オレの頃は教えてもらえなかった=失敗を許容してもらえた時代です。
言葉通りには捉えないでください。
標準の意図や背景の共有(ドキュメント化)
「この部分は時代遅れだな。こうすれば簡単に安く楽に作れる」と気づける。
背景込みでドキュメント化が必須。

このドキュメントがない会社は危険です。
現場や他部門との連携した標準化活動
→机上だけで決めると“使えない標準”になる。正に絵に描いたもちになる。
現場や他部門を巻き込めば、「それ実際は無理」みたいな穴を先に潰せる。
現場参加型の標準化は実装力、省工数への寄与が段違い。

部門間のフィードバックがない会社は危険です。

8.理想的な あるべき 対策と注意点
これが全く無い組織は危険ですので、社内公募か転職を視野に入れてください。
陳腐化して市場価値も競争力も無くなった会社は悲惨です。


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