67Nと67Gの違いと、抵抗接地方式で感度が鈍る理由

以下では、地絡方向継電器(67N/67G)の違いと、抵抗接地方式を採用した際に感度が鈍る理由について、ブログ向けにわかりやすく整理します。

67Nと67Gは同じ「地絡方向継電器」

まず結論から言うと、67Nも67Gもどちらも「地絡方向継電器(Directional Earth Fault Relay)」です。両者とも、零相電圧(3V₀)と零相電流(3I₀)の位相関係を使って、地絡が母線側か線路側かを判定します。つまり動作原理や目的は同じです。

違いは検出電流の取り方

種別検出電流の種類主な使用箇所特徴
67N零相電流(3I₀)=Ia+Ib+Icを合成して検出受電設備、配電線など既設CTで合成可能。小電流系では誤差の影響を受けやすい。
67G中性点または接地線CTで直接検出発電機・変圧器の中性点接地系統など実電流を直接取れるため、感度が高く安定。

つまり、物理的な検出点が中性点側なら「G」、各相CTから合成するなら「N」となります。両方とも同じ地絡方向保護機能を持ち、メーカーによっては「67G/N」と併記されることもあります。

抵抗接地方式で感度が鈍る理由

抵抗接地を採用すると、地絡電流(3I₀)が小さくなるうえ、位相が抵抗寄りになります。地絡方向継電器のトルクは「3V₀×3I₀×cosφ」に比例するため、3I₀の小ささと位相ずれの両方で有効トルクが減少します。

主な理由は以下の通りです:

  1. ① 零相電流(3I₀)の絶対値が小さくなる
  2. ② 電流と電圧の位相関係が抵抗寄りになり、方向特性角と合わなくなる
  3. ③ 健全相の対地静電容量電流とのベクトル合成で有効トルクが減る
  4. ④ 故障抵抗(アーク抵抗・大地抵抗)の影響でさらに電流が小さくなる
  5. ⑤ 外乱(CT誤差や誘導電流)が相対的に大きくなり誤動作リスクが増す

感度低下への対策

抵抗接地系統では以下のような工夫で感度を補うことができます。

  • ・ワットメトリック方式(有効電力成分)を採用する
  • ・零相補償係数k₀と方向特性角を実系統に合わせる
  • ・最小動作電流を低く設定し、CT誤差に注意する
  • ・59N(零相過電圧)との二段構えで高抵抗地絡に対応する
  • ・中性点CT方式(67G)を使うと実電流が取れるためより安定

まとめ

67Nと67Gは同じ地絡方向継電器で、検出電流の取り方が異なるだけです。抵抗接地方式では3I₀が小さくなるため、67Nでは感度が鈍くなりやすいですが、67G方式や補償・整定の工夫によって確実な方向判定が可能です。

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