概要
ブスプロダクトリレーとは、母線に接続されている全ての回路の電流を合成(差動計算)し、内部故障のみを高速遮断する保護装置である。母線は系統の基幹ノードであり、故障時の影響が非常に大きいため、確実かつ高速な保護が求められる。
動作原理
母線に接続される回路電流 I_k の合成値を用いて差動動作を行う。
差動電流: I_diff = |Σ I_k|
拘束電流: I_restraint = 1/2 × Σ|I_k|
動作条件: I_diff > K × I_restraint + I_min
| 記号 | 意味 |
| I_diff | 差動電流 |
| I_restraint | 拘束電流(安定化要素) |
| K | 拘束係数(例:0.2〜0.6) |
| I_min | 微小動作防止しきい値 |
CT要件と課題
母線差動は CT の比率、極性、位相特性に強く依存する。外部故障時に CT が飽和すると差動電流が誤って発生し、誤動作を引き起こす可能性がある。これを防ぐため拘束電流要素を使用し、安定度を確保する。
母線構成と保護方式
| 母線構成 | 推奨保護方式 | 特徴 |
| 単母線 | 単一差動ゾーン | 構成簡単、コスト低、冗長性なし |
| 二母線切替方式 | バスクーハウス式 / CT切替方式 | 運用切替時の誤動作防止が課題 |
| 二重母線母線連絡形 | トランスファバス差動 + 各母線差動 | 大型変電所で一般的、信頼性高い |
デジタル変電所における母線差動(IEC 61850)
最新の母線差動はサンプリング値(SV)およびGOOSE通信を利用し、光ネットワーク上で差動演算を行う方式が普及している。これにより二次導体削減、ノイズ影響低減、柔軟な構成変更が可能となる。
動作時間
内部短絡検出: 約1〜2 ms
遮断器トリップ含む系統遮断時間: 約40〜80 ms
代表的国内メーカー
| メーカー | 製品例 | 備考 |
| 富士電機 | MICREX 87Bシリーズ | 公共・産業用で実績多い |
| 日立ABB | REL511 / 670シリーズ | IEC61850親和性が高い |
| 三菱電機 | MPR / MELPRO-S | 国内特高で普及 |
| 東芝 | GRB / GRDシリーズ | 発電所・変電所向け |
試験項目
– CT極性確認
– 二次導体の導通・絶縁試験
– 外部故障模擬(安定度試験)
– 内部故障模擬(差動動作試験 + トリップ確認)



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