甲型JVと乙型JVの違いとは?

― 建設業界で必ず知っておきたいJVの基本 ―

公共工事や大規模なインフラ工事の公告を見ていると、

「〇〇工事 甲型JV」「△△工事 乙型JV」

といった表記をよく目にします。

建設業に携わっている人なら一度は聞いたことがある言葉ですが、

「どう違うの?」

と聞かれると説明に迷う人も多いのではないでしょうか。

本記事では、建設業で用いられる 甲型JV(ジョイントベンチャー) と 乙型JV の違いを、初心者でも分かるように整理しながら解説します。

JVとは何か?

JV(Joint Venture)は、複数の建設会社が 共同で入札し、共同で施工するための組織 です。

一社では対応しきれない大規模工事や高難度工事でよく採用されます。

JVには主に以下の2つがあります。

甲型JV

乙型JV

この2つは「共同施工の度合い」「責任分担」「役割の比重」が大きく異なります。

甲型JVとは?(共同施工型)

甲型JVは、複数の企業が ほぼ対等な立場で工事を分担し、共同で施工する方式 です。

◆ 甲型JVの特徴

全構成企業が“施工者”として関わる

各社の役割・工事量が均等に近い

得意分野を持ち寄ることで工事全体をカバーできる

地方自治体の公共工事で非常によく採用される

◆ 使用例

例えば道路工事で、

A社:土木

B社:舗装

C社:構造物

のように 分野ごとに持ち寄って総合的に施工する ケースです。

◆ メリット

中堅企業でも大規模工事に参加できる

多様な技術を統合できる

コストやリスクを分散できる

◆ デメリット

各社の調整に時間がかかる

意思決定が遅くなることがある

乙型JVとは?(代表施工型)

乙型JVは、代表企業が主施工者となり、他社は補助的役割にまわる方式 です。

◆ 乙型JVの特徴

代表企業が工事の大部分を担当

他の構成企業は部分的施工・資機材提供など補助的参加

国交省案件や超大規模プロジェクトで採用されることが多い

◆ 使用例

A社:代表企業として施工管理・工程・品質を主導

B社・C社:地元企業や協力企業として一部作業を担当

「地元企業に一定の発注機会を与えるため」に乙型JVが採用されることもあります。

◆ メリット

責任範囲が明確で管理しやすい

代表企業の施工力を活かせる

大規模プロジェクトの体制を組みやすい

◆ デメリット

代表企業の負担が非常に大きい

他社側は経験値が得にくい

甲型JVと乙型JVの違いを一目で理解する比較表

比較表(概要)

甲型JV:全社で共同施工、役割が均等、地方工事向き

乙型JV:代表企業が主施工、責任集中、大規模工事向き

どちらが「上」とか「格上」ではない

たまに誤解されますが、

甲型=格上・正規、乙型=下請けJV

という意味ではありません。

目的に応じて「対等に施工するか」「代表企業が中心になるか」の違いがあるだけです。

技術を持ち寄るなら → 甲型

大規模工事を効率的に回すなら → 乙型

という選択肢になります。

まとめ:JVの“型”は目的によって使い分けられる

甲型JV:共同施工型(全社が主体)

乙型JV:代表施工型(代表企業が主体)

公共工事の公告文には必ず記載されるため、

どんなJV方式が採用されているかを読むだけで その工事の背景・規模・難易度 が見えてきます。

これを理解しておくと、建設業界のニュース・公告・技術資料が一段と読みやすくなるはずです。

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