2040年問題で保守要員の「絶対量」が不足する
建設・設備保全に従事している技能者の平均年齢は高く、2030〜2040年に大量離職が確定している。一方で若手はインフラ業界に入りにくく、補充が効かない。
結果として
「そもそも点検できる人間がいない」
→ DXや自動点検に依存せざるを得ない構造。これは電力会社・設備メーカー・ゼネコンがすでに顕著に感じている現実です。
法規・規制の方向性が「状態監視保全(CBM)」を容認へ
建設機械、変電設備、プラント設備では従来のTBM(時間基準保全)から、
「状態を見て判断するCBM」を認める方向に変わってきている。
特に電力分野では、GIS・変圧器・遮断器・保護リレーなどに状態監視モジュールが急増。
監視データをクラウド・AIで解析する仕組みは、法的に後押しされ成長する。
規制が変わると市場は強制的に広がるため、ここは重要ポイント。
設備の高度化とブラックボックス化で保守の難易度が上昇
IEC61850化、デジタルリレー化、多回線化、電力品質監視の高度化により、
アナログ時代よりトラブル原因が複雑。
技術継承が追いつかないため、
「AI診断」「遠隔監視」「デジタルツイン」へのニーズが急増。
特にデジタルサブステーションではこれが顕著。
「設備ダウン=経済損失」の増大により経営層の投資判断が変化
データセンター、工場、医療、物流などは
設備停止=数億円単位の損失になるケースが増えている。
経営側は「故障してから直す」世界では耐えられず、
故障予兆の検知に積極投資するようになった。
この「経営サイドの意識変化」が、予防保全DX市場を強く引き上げている。
メーカー側が“保守まで売る”ビジネスモデルに転換
三菱電機、東芝、日立、GE、ABB、Schneider、Siemens
など大手はほぼ例外なく、 **「装置販売 → ライフサイクルサービス販売」**に重心を移している。
これは住宅でいう“スマートメンテナンス”のインフラ版。
つまり、業界構造そのものが予防保全DXを前提に再設計されている。
具体的にどんな領域で一気に伸びるか
① 変電設備(電力)
- 変圧器:溶解ガス監視、油分析、温度分布監視
- GIS:部分放電、絶縁劣化監視、温度・振動
- 保護リレー:イベント解析、故障波形のクラウド収集
- MCC・配電盤:サーモカメラ、電力品質監視、故障履歴AI解析
- IEC61850系機器は予防保全と非常に相性が良いため、ここは特に成長領域。
② ビル・工場設備
- 空調・エレベータ・ボイラー・ポンプの予兆検知
- モーター振動監視
- スマートメーターによる異常消費検知
- 設備維持コストの最適化(OPEX削減)が強い動機となっている。
③ インフラ・公共工事
- トンネル換気設備
- 排水ポンプ
- 道路情報板・信号制御
- 河川の排水施設
保守員不足が極端な領域ほどDX化の優先度が高い。
市場規模予測(技術的根拠つき)
以下は、日本国内の予防保全DX市場の大まかな予測レンジ:
2025年: 約5,000〜7,000億円
2030年: 約1.5〜2兆円
2040年: 3〜4兆円規模へ
特に電力・水道・道路など“止められないインフラ”が牽引する。
予防保全DXが伸びる際の「現場側の実感」
✔ 作業員の現場出動回数が減る
✔ 点検頻度が減り、紙報告書の作成が自動化
✔ データ分析部門が新設される
✔ 現場より“監視センター”の重要度が高まる
✔ メーカーと保守会社の距離がより近くなる
まとめ
🔹 今後、人手不足と技術継承問題が深刻化する
🔹 規制・設備高度化・経営判断が予防保全DXを後押し
🔹 メーカーのビジネスモデルも変化し市場が拡大
🔹 特に電力・公共インフラは伸び率が大きい
したがって、
“予防保全DX市場は確実に拡大する”
と極めて高い確度で言える。



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