技術畑でキャリアを積んでいると、「売上」「利益」「ROE」「キャッシュフロー」といった経営数字と距離を置きがちです。日々磨くのは制御・電気・機械といった専門技術であり、決算書は経理や経営企画の世界――そう思い込んでしまうのは自然なことです。
しかし昇進試験や評価面談で求められる視座は、年々“会社全体を俯瞰する力”へと変わりつつあります。そこで強く推薦したいのが 『世界一楽しい決算書の読み方』 です。
難しい数字を「ストーリー」で理解できる構成
本書の最大の魅力は、決算書を“数字の羅列”としてではなく、
「会社という生き物がどのように動き、お金が流れ、利益が生まれるか」
というストーリーで説明してくれる点です。
PL(損益計算書)・BS(貸借対照表)・CF(キャッシュフロー)と聞くだけで拒否反応が出る人でも、物語として読めるためスッと頭に入ります。
特に「なぜキャッシュが重要なのか」という論点は、技術者が最も理解しづらい部分ですが、本書では“現場の動き”と紐づけて丁寧に解説しており、まさに腑に落ちます。
技術者が昇進で求められる“経営視点”を最短で獲得できる
技術者が昇進試験で苦労するポイントは、
「専門技術の話は得意だが、会社全体の数字の話になると急に弱くなる」
というギャップです。
しかし本書を一冊読みきるだけで、
売上・利益・コスト構造の関係
設備投資がBSにどう影響するか
キャッシュフローが企業体力にどう直結するか
ROE/ROAの“意味”ではなく“使い所”
といった“経営側が見ている数字”を自然に理解できます。
技術者が昇格論文や面接で問われる視座に、もっとも短時間で到達できる実用書と言えます。
「経営数字に触れる機会が少ない技術者」ほど価値がある
技術者は普段、製品・工事・プロセス・トラブル対応といった個別テーマに集中します。そのため、会社全体の財務が自分の仕事とどうつながるのか見えにくいものです。
本書は、
「数字が読めない人に、数字の面白さと会社の仕組みを納得させる」
という点に特化しており、技術者にとって“会社の中の自分の位置”を再発見する良いきっかけになります。経営数字に苦手意識のある人こそ、読む意義が大きい一冊です。
総評:技術者のキャリアを伸ばす“数字の第一歩”に最適
『世界一楽しい決算書の読み方』は、
「技術者の視点から経営の視点にワープさせてくれる」
数少ない入門書です。
・経営数字に自信がない
・昇格が視野に入り始めた
・会社のお金の流れを理解したい
・自部門の改善提案を“数字で語れるようになりたい”
こうした技術者には、まさに投資価値の高い一冊です。
決算書が苦手な人ほど楽しめる内容で、読み終えるころには「数字って意外と面白い」と実感できます。


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