第2キャリアとして「営業」を選ぶのは、逃げではない
PLC技術者として現場に立ち続けていると、ある瞬間にふと立ち止まることがある。
このまま同じ案件を繰り返すだけでいいのだろうか?
技術は身についているはずなのに、評価されている実感がない
トラブル対応ばかりで、未来を描けない
そんなときに頭をよぎるのが
「営業に行くのは負けなのではないか」
という不安だ。
だが結論から言えば、
PLC技術者が第2キャリアとして営業を選ぶのは、極めて合理的な選択である。
「技術者が営業に行く」ことへの誤解
営業という言葉に対して、技術者はどうしても身構えてしまう。
- 技術を捨てることになる
- 口だけの世界になる
- 数字だけを追わされる
こうしたイメージは根強い。
しかし実際の現場で求められている営業像は、少し違う。
多くの顧客が不満に思っているのは
「話が通じない営業」 だ。
- 現場制約を理解していない
- 無理な納期を約束する
- 図面や仕様の話になると黙る
だからこそ、PLCを理解している営業は強い。
PLC経験は「営業力」に変換できる
PLC技術者が営業に転じたとき、最初から持っている武器がある。
- 図面が読める
- I/O点数や制御規模の感覚がある
- 現場で「何が起きるか」を想像できる
- 変更がどれほど重いかを知っている
- これは単なる知識ではない。
現実感覚だ。
顧客と話すとき、
「それは理屈では可能ですが、現場では厳しいです」
と一言添えられる営業は、圧倒的に信頼される。
営業として必要なのは、
売り込む力よりも 「止められる力」 なのだ。
人と仕事の話ができるなら、素質は十分ある
営業に向いているかどうかは、性格の明るさやトーク力で決まるわけではない。
むしろ重要なのは、
- 相手の話を聞ける
- 困りごとを整理できる
- 技術・納期・金額を現実ラインに落とせる
この能力は、PLC技術者が日常的に使っているものだ。
人と仕事の話をするのが苦ではないなら、それはもう営業の入り口に立っている。
営業は「話す仕事」ではなく「翻訳する仕事」 である。
営業は「逃げ」ではなく「レイヤー変更」
技術から営業に行くことを、
逃げだと感じてしまう人は多い。
だが実態はこうだ。
- 技術を使わなくなるのではない
- 技術を“別の高さ”で使うようになる
- 現場で一本一本配線を追っていた視点から、
- システム全体・事業全体を見る視点へ移る。
これは後退ではない。
視座の変更だ。
営業を経験した技術者は、その後
- 技術営業
- プロジェクトマネージャ
- 企画・事業開発
へ進みやすくなる。
キャリアの可動域が一気に広がる。
「職場がダメ」だと感じたら、動いていい
大切なのは、
- PLCが嫌いになったのか
- その職場が合わなかったのか
を切り分けることだ。
多くの場合、ダメなのは後者である。
- 成長機会がない
- 属人化がひどい
- 評価軸が曖昧
そうした環境で耐え続ける必要はない。
技術を持ったまま、役割を変える。
それが営業転属だ。
一度きりのキャリアではない
営業に行ったからといって、二度と技術に戻れないわけではない。
むしろ
- 営業を知った技術者
- 技術を知った営業
は組織にとって貴重な存在になる。
キャリアは直線ではなく、曲線でいい。
今いる場所で苦しみ続けるより、自分の強みが生きる位置へ移動するほうが健全だ。
最後に:あなたは「売れない営業」にはならない
PLC技術者として積み上げてきた経験は、消えない。
営業に行っても、それはあなたの背骨として残り続ける。
だから安心していい。
第2キャリアとして営業を選ぶことは、
自分を諦める選択ではない。
自分を広げる選択だ。
今の職場で未来が見えないなら、
役割を変える勇気を持っていい。
技術者が営業に行く時代は、
もう始まっている。


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