――それでも私は、サターンミニを待ち続けている
メガドライブミニが発売されてから、すでにかなりの時間が経った。
完成度の高いエミュレーション、適切な価格設定、収録タイトルのセンス。
「レトロハードのミニ化」の成功例として、メガドライブミニは今なお高く評価されている。
だからこそ、多くのファンが思ったはずだ。
「次は、セガサターンミニだろう」と。
しかし、現実はそう簡単ではなかった。
2025年現在に至るまで、セガサターンミニは正式発表すらされていない。
ではなぜ、これほど待望されているにも関わらず、サターンミニは出ないのか。
そこには、単なる“やる気の問題”では片付けられない、いくつもの事情がある。
セガサターンは「技術的に異常なハード」だった
まず避けて通れないのが、セガサターンというハードの特殊性だ。
サターンは当時としては非常に野心的な構成をしていた。
- デュアルCPU構成
- 複数の専用描画チップ
- 3D・2Dを並列で処理する設計
- 開発者が直接ハードを叩く前提の設計思想
これが何を意味するかというと、
👉 ソフトごとにハードの使い方がバラバラ
👉 「共通の正解」が存在しない構造
ということだ。
ファミコンやスーファミ、メガドライブのように「この挙動を再現すればOK」という単純な話ではない。実際、現在のPC向けエミュレーターでも
・ゲームによって動作が不安定
・描画崩れが起きる
・音ズレが発生する
といった問題が完全には解決していない。
これを「誰でも遊べる公式ミニハード」に落とし込むのは、想像以上に難しい。
ミニハードは“動けばいい”では許されない
ここで重要なのは、ミニハードはマニア向け商品ではないという点だ。
セガが出す以上、
- 電源を入れたらすぐ遊べる
- フリーズしない
- 操作遅延がない
- 説明書不要
- 不具合が出ても言い訳できない
という水準が求められる。
PCエミュレーターなら「多少の不具合は自己責任」で済むが、
公式商品でそれは許されない。
つまりサターンミニは、
「動くかどうか」ではなく「完璧に近い再現度で、安定して動くか」が問われる。
このハードルが、あまりにも高い。
採算が合いにくいという現実
もう一つ、非常に現実的な問題がある。
それは コストと売価のバランス だ。
サターンを再現するには、それなりに高性能なSoCにチューニングに時間のかかるエミュレーター
検証工数の多さとタイトルごとの動作確認が必要になる。
しかし、ミニハードは基本的に
「1万円前後」で売らなければならない商品だ。
開発費がかさめば、
・価格を上げる → 売れない
・価格を下げる → 採算が合わない
というジレンマに陥る。
しかもサターンは、「マニア人気は高いが、一般層への知名度はそこまで高くない」
という微妙な立ち位置でもある。企業としては、慎重にならざるを得ない。
周辺機器・操作系の再現問題
サターンは本体だけで完結しないハードでもあった。
- 3Dコントローラ
- マルチタップ
- バーチャガン
- アーケードスティック
これらをどう扱うか。
「コントローラ1個で全部対応」は無理があるし、
周辺機器まで含めるとコストは跳ね上がる。
結果として、「中途半端に出すくらいなら、出さない方がいい」という判断になってしまうのも、理解できなくはない。
それでも、私はセガサターンミニを待っている
ここまで書いておいて何だが、
それでも私は セガサターンミニを心から待っている。
理由は単純だ。サターンには、
- セガが最も尖っていた時代の空気
- ハードとソフトが真っ向勝負していた時代の熱量
- 他社では絶対に作れないゲーム群
が詰まっているからだ。
バーチャファイター2
ナイツ
パンツァードラグーン
サクラ大戦
ガーディアンヒーローズ
デイトナUSA
機動戦士ガンダム外伝 (ブルーディスティニー1号機は一番好きなモビルスーツだ)
どれも、「あの時代のセガ」でしか生まれなかった作品だ。
そして何より――
サターンは失敗したハードではない。挑戦しすぎたハードだった。
だからこそ、今の技術で、今の形で、もう一度正当に評価されてほしい。
まとめ:出ない理由は分かる。それでも、出てほしい
セガサターンミニが出ない理由は、はっきりしている。
- 技術的に難しすぎる
- コストが合いにくい
- 商品としてのリスクが高い
- 中途半端な出来では許されない
どれも正論だ。だがそれでも、私は言いたい。
「だからこそ、セガにやってほしい」
メガドライブミニがそうであったように、
セガが本気を出したときの“ちょうどいい完成度”を、サターンでもう一度見てみたい。
いつか、電源を入れた瞬間にあの起動音とロゴが表示される日を、私はまだ諦めずに待っている。



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