IEC61850ひとくちメモ マージングユニットにGOOSE通信とMSS通信が干渉しない理由

今日は素朴な疑問を備忘録として記録しておこうと思います。

それは

マージングユニットにGOOSE通信とMSS通信が干渉しないのか?

丸知
丸知

ずっとこれが疑問でした。

GOOSE通信とMSS通信

保護IED(Intelligent Electronic Device)とマージングユニット(MU)は、同じ物理的なLANケーブルを介して以下の通信を行って開閉器の開閉、イベント通信、制御を行う。

・ GOOSE通信(イベント伝送・トリップ信号など)

・ MMS通信(監視・制御・設定値読み書きなど)

上記を同時に行う。

丸知
丸知

この2種類の通信の役割を把握するだけで

デジタル変電の解像度が一気に上がります。

丸知
丸知

GOOSE通信が非常停止信号

MSSがステータス監視信号

まずはそんなイメージで良いと思います。

GOOSE通信とMSS通信が干渉しない理由

IEC 61850の規格に基づいた通信プロトコル設計

GOOSEやSampled Valuesはイーサネットのレイヤ2マルチキャストを使用。非常に短い遅延で伝送されることが求められています。

MMSはTCP/IPベースのアプリケーションレイヤ通信であり、用途が異なるため論理的に分離されています。TCP/IPベースのアプリケーションレイヤ通信とは?って方は以下の動画をどうぞ。

VLAN・優先度制御(IEEE 802.1Q, 802.1p)

実運用ではスイッチ設定でGOOSE/SVに高い優先度を割り当て、MMSより先に処理されるようにQoSが確保されます。

これにより、MMSのような大量トラフィックがあってもGOOSE伝送は干渉を受けません。

GOOSEやSVは短いフレームを周期的/イベント的に送るのみで、通信帯域は比較的限定的である。

MMSは通常「監視・設定変更」などに使われるため、頻度は低く、定常的に大きな負荷をかけるものではない。

※トラフィック量(traffic volume)とは、ネットワーク回線で一定期間に送受信される通信データの総量のことをいう。

トラフィックという言葉自体は「交通量」を意味する言葉である。

ネットワークにおけるデータの「通行量」と表現するとわかりやすい。

ネットワークの帯域(通信容量)をどれだけ使用しているかを示す指標です。つまり「交通量」or「通行量」データの多さがどれだけかを示している。

当然ながらトラフィック量が多いほど、通信速度の低下や遅延が発生する原因となる。

まとめ 1本のLANケーブルでGOOSEとMMSが混在するのは普通

1本のLANケーブルでGOOSEとMMSが混在するのは普通の運用形態です。

干渉は規格上もネットワーク設計上も防止される仕組みになっています。

QoS・VLAN・冗長化などのネットワーク設計を組み合わせて信頼性を担保します。

丸知
丸知

つまり乱暴な言い方ですが

IEC61850に対応している製品を使う限り

GOOSE通信とMSS通信は干渉する心配をしなくていい

ということになります。

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