昨今のDXやIoTの潮流の中で、「PLCはもう古い」「産業用制御はPCベースにシフトする」という意見を耳にすることがあります。確かに産業は高速に変化し、新たな技術要素は日々生まれています。しかし、これらの議論を背景だけで判断してしまうと、重要な本質を見誤ります。むしろ現在こそ、PLCに触れる価値は高まりつつあります。
特にこれからPLCに触れようとする若手技術者、またアラサー・アラフォーの技術者にとって、PLCは“古さ”ではなく“信頼性と責任”という産業基盤を学ぶ、非常に重要な入口となり得ます。本稿では、その理由を産業構造、技術的進化、そして技術者としての成長という観点から論じていきます。
PLCの時代終了という言説を聞いたことがありますが、断言します。
ありえません。
制御技術は流行ではなく、「産業を動かす責任」を担う領域
制御技術は、最新であることよりも止まらないことが本質です。工場設備、搬送システム、発電所、インフラ機器はいずれも、多くの生命・社会基盤・経済活動を支えています。これらを安全に、確実に動かし続けるために必要なのがPLCです。
PC制御やAI制御のように派手な最新技術が注目を浴びる一方、現場設備の多くは10年〜30年という長期間にわたり稼働し続けます。そしてPLCは、その長期性・堅牢性・安全性・保守性において、依然として唯一無二の信頼を獲得している存在なのです。
進化し続けるPLC――“古さ”ではなく“成熟”という価値
PLCは決して停滞している技術ではありません。現在のPLCは以下のような高度な進化を遂げています。
- IEC 61131-3による標準化
- OPC UAやTSNによる通信の高度化
- Edgeコンピューティングとの統合
- セーフティPLCの普及
- サイバーセキュリティ対応
つまり現代のPLCは、制御に閉じた技術ではなく、制御の信頼性を担保したままデータ活用・IoT・DXに橋をかける存在へと進化を遂げています。
今こそ「PLCを学んで良い」という時代になっている
若い世代がPLCを学ぶメリットは非常に大きいと言えます。ICTやクラウド技術が加速度的に進むほど、その“現場に接続する技術”としてPLCの需要は増していきます。
アラサー・アラフォーであっても同様です。これまでの経験・現場感・設備知識と組み合わせることで、PLCは新たな武器となります。加えて、PLCは“現場を知らなければ設計できない技術”でもあるため、経験を重ねた技術者ほど価値を発揮できます。
産業構造は「PLCを必要とし続ける」根拠がある
日本の産業は製造業、エネルギー、プラント、搬送、インフラといった、社会基盤そのものを支えています。これらは急には変わらない業界です。むしろ労働力不足や保守要員の減少を背景に、PLCを中心とした自動化・監視・予防保全の需要は拡大していくと考えるのが自然です。
つまりPLC技術者は今後も“必要とされる側”に位置しつづけると言えます。
若手・アラサー・アラフォーへ伝えたいこと
もしあなたがこれからPLCに触れようとしているのなら、自信を持って良いと言いたいのです。
PLCは古い技術ではありません。
むしろ、現場を理解し、設備を理解し、責任ある制御を理解するための、非常に優れた入口です。
そしてこの入口を通過した先には、広大な世界が広がっています。
- TSN / OPC UA
- SCADA / MES連携
- Edge接続
- IoT活用
- DXによる設備統合
つまりPLCは、技術者のキャリアの序章として、最も価値のある領域の一つだと断言できます。
最後に(エール)
PLCを学ぶ技術者は、未来の産業を支える人です。
時代遅れという言葉に迷わされる必要はありません。
設備は止まることが許されない。社会を支える技術は、流行では測れない。
PLCは、その責任と信頼を担う、非常に重要な技術です。
どうか自信を持ってください。 これからPLCに触れる皆さんの技術が、次の産業を支える骨格となっていきます。
あなたが身につける知識と経験は、必ず社会に役立ちます。
むしろ今こそ、PLCを学び始めるにふさわしい時代です。



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