電験2種 令和3年 法規 問4 高調波の原因及び対策

高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドラインからの出題

高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドラインからの出題です。強電も弱電も設計する私にとって避けては通れません。このガイドラインを元に機器選定を行っている設備がたくさんあります。強電屋にとっては一読するべきと個人的には考えております。これもどこかで記事にしようと思います。

電験2種 令和3年 法規 問4 高調波の原因及び対策

次の文章は,高調波対策に関する記述である。文中の に当てはまる最も適切なものを解答群の中から選べ。

ダイオード及びサイリスタを用いた (1) 負荷は,各種次数の高調波電流を発生する。電気設備及び機器に及ぼす高調波の影響は,以下のように分類される。

 ・機器への高調波電流の流入による異音,過熱,振動,焼損など
 ・機器への高調波電圧の印加による誤制御,誤動作など

このような影響が生じる場合があることから,配電系統の 6.6 kV 母線における高調波電圧総合ひずみ率の管理目標値を 5 % ,特別高圧系統の高調波電圧総合ひずみ率の管理目標値を (2) とし,これを維持するため,「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」による高調波電流抑制のための技術要件が定められている。

高調波電流の抑制対策は,機器から発生する高調波電流そのものを低減する方法と,機器から発生した高調波電流を需要家内の設備に (3) させ,外部に流出する量を低減する方法の 2 種類がある。

具体的には,前者においては高調波発生源である電力変換装置の (4) ,後者においては需要家内への受動 (5) などの設置といった方法がある。

解答群

解答

解答を記載します。答えは黄色マーカで色付けしております。

(1)ル_非線形

(2)イ_3%

(3)ヘ_分流

(4)チ_多パルス化

(5)ニ_フィルタ

(1)の問題はダイオード及びサイリスタは何負荷?という問題

ダイオードやサイリスタなどは電流と電圧が比例しないため、非線形負荷と言われる。抵抗などは比例していくため線形負荷とい言われる。

よって(1)の解答はルの非線形となります。

ダイオード及びサイリスタを用いた 非線形負荷は,各種次数の高調波電流を発生する。電気設備及び機器に及ぼす高調波の影響は,以下のように分類される。

 ・機器への高調波電流の流入による異音,過熱,振動,焼損など
 ・機器への高調波電圧の印加による誤制御,誤動作など

(2)は「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」より

(2)は「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」より、特別高圧系統で管理目標値 3 % を維持すると定められています。

よって(2)の解答はイの3%となります。以下に問題文と解答記載します。

このような影響が生じる場合があることから,配電系統の 6.6 kV 母線における高調波電圧総合ひずみ率の管理目標値を 5 % ,特別高圧系統の高調波電圧総合ひずみ率の管理目標値を3%とし,これを維持するため,「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」による高調波電流抑制のための技術要件が定められている。

(3)はどの法則を使って高調波を抑制するか?という問題

分流の法則を用いて高調波の抑制を図ります。

よって(3)の解答はヘの分流となります。以下に問題文と解答記載します。

高調波電流の抑制対策は,機器から発生する高調波電流そのものを低減する方法と,機器から発生した高調波電流を需要家内の設備に分流させ,外部に流出する量を低減する方法の 2 種類がある。

(4)と(5)は高調波抑制の具体例は?という問題

高調波抑制の手段としては

整流器の相数を増加する多パルス化(正弦波に近い波形にする)
フィルタの設置
専用線化
供給設備系統の切り替え

よって(4)の解答はチ_多パルス化 (5)の解答はニ_フィルタ

高調波電流の抑制対策は,機器から発生する高調波電流そのものを低減する方法と,機器から発生した高調波電流を需要家内の設備に分流させ,外部に流出する量を低減する方法の 2 種類がある。
具体的には,前者においては高調波発生源である電力変換装置の多パルス化 ,後者においては需要家内への受動フィルタなどの設置といった方法がある。

問題文に解答を記載

ダイオード及びサイリスタを用いた 非線形負荷は,各種次数の高調波電流を発生する。電気設備及び機器に及ぼす高調波の影響は,以下のように分類される。

 ・機器への高調波電流の流入による異音,過熱,振動,焼損など
 ・機器への高調波電圧の印加による誤制御,誤動作など

このような影響が生じる場合があることから,配電系統の 6.6 kV 母線における高調波電圧総合ひずみ率の管理目標値を 5 % ,特別高圧系統の高調波電圧総合ひずみ率の管理目標値を3%とし,これを維持するため,「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」による高調波電流抑制のための技術要件が定められている。

高調波電流の抑制対策は,機器から発生する高調波電流そのものを低減する方法と,機器から発生した高調波電流を需要家内の設備に分流させ,外部に流出する量を低減する方法の 2 種類がある。
具体的には,前者においては高調波発生源である電力変換装置の多パルス化 ,後者においては需要家内への受動フィルタなどの設置といった方法がある。

過去問を解いた感想

今回の「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」に関わる問題は設計でも関わりが深いので、大変ためになる内容でした。現在の受変電機器は高調波対策を施されいるため、今回の問題とガイドライン見比べながらハードとソフトのシーケンス設計していきたいと思います。「高圧又は特別高圧で受電する需要家の高調波抑制対策ガイドライン」も設計メモの方で展開したいと思います。

それではご安全に。

コメント